テニプリ夢女のための曲を知っていますか。
自他共に認めるテニプリ夢女であるベルです、どうもこんばんは。
私は不二先輩をこよなく愛しています。今までも、そしてこれからもきっとそうです。
腐女子という言葉は世の中に知れ渡って結構経ちますが、夢女という言葉はあまり聞きなれないかもしれませんので一応補足しておきます。
夢女子とは、主に二次元(架空)の男性キャラクターとアバター(自分の分身)またはオリジナルキャラクターの恋愛作品を好む女性や、男性キャラクターに夢中になっている女性のことである。
ニコニコ大百科(仮)より
そして今初めて知ったのですが、夢女には2種類いるそうです。
夢女子には大きく分けてふたつのタイプがある。
1.自身がオリジナルキャラクター(アバター)になってキャラクターと出会い、恋愛や友情などの交流を楽しむ。
2.自身ではなく、創造したオリジナルキャラクターをキャラクターと出会わせて、第三者(神)視点で恋愛・友情などの交流を楽しむ。
ちなみに私は1のほうです。自分が相手と恋愛したいタイプです。
という、とにかく夢を見ている女であるという前置きをして、さっそく内容へ入ります。
なんでこの記事を書こうと思ったかと言いますと、家にのんびりいると曲を聴く回数が自然と増え、今年の2月にリリースされた不二先輩のアルバムを繰り返し聞いており、テニプリ夢女としてどうしてもある1曲について書きたくなったからです。
気持ち悪いのは承知です。
テニプリには現時点で800曲以上のキャラソン*1が存在すると言われています。
他のアニメを知らないのですが、スポーツマンガにしては群を抜いて多いほうかと思います。また、ちょっと事情が特殊なので作者もCD出してます。
テニス試合中の曲などが多めですが、実はキャラクターのイメージ(性格や趣味、好きなものなど)から作られた曲もいくつもあります。
中の人が作詞作曲してくださっていたり、どの曲も本当に素敵な曲なのですが…。
そんな中でも全夢女が涙した1曲が存在します。
それがこちら。
「悲しいね…キミが近すぎて」
作者がどうして歌を出しているのかという疑問はちょっと横に置いておいてください。
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この曲、以前にも記事に少しだけ書いたことがあるんですが、作者の許斐剛先生自身が作詞、作曲をされているんです。
昔の記事にはりつけたものと同じツイートですが、この曲のことをこのようにおっしゃられています。
3rdシングルのお知らせです๑
— 許斐剛 (@konomi_takeshi) 2016年3月17日
『許斐 剛☆サプライズLIVE~一人テニプリフェスタ~』で初披露したバラード♪今回も作詞作曲を手掛けました
【悲しいね…キミが近すぎて】
キャラ達が本の世界から毎日手に取って読んでくれる持ち主の事を大切に想っている…そんな楽曲です*゜
②に続く→
久しぶりに神様が歌出すなと思ったらまさかのバラード。しかも上記のツイートから分かることはキャラが本の持ち主(私たち)を大切に想っている…(好きでいてくれている)という解釈ができます。要するに、私たちがキャラに抱く恋愛感情を許斐先生は認めてくれており、なおかつ 逆に想っていてくれている歌…。
通常私たちのような夢女の想像する世界は二次創作であるので、原作からは当然離れてしまいますし、それをよしと思わない作者様もいらっしゃることと思います。しかし許斐先生は言葉でただ認めたわけではなく、曲として出すことによって夢女を認めてくれたのです。恋愛はテニプリにほぼ存在していないので(桜乃ちゃん杏ちゃんは除く)、原作のイメージからかけ離れていて、原作の雰囲気を壊すことからあまり望まれないのかと思っていましたが、許斐先生自身がこういったキャラクターたちへの愛をもった応援も許してくれている証となりました。
どなたかが昔、Twitterで「すべての夢女は許された」とおっしゃっていましたが、本当にその通りです…。
しかしよく考えると恋愛ゲームなども出ていたので、その時点で許斐先生はすでに夢女へ対する理解があったんだろうなぁと思います。
本当に、それだけでも公式から出されたこと、本家である許斐先生が出していることだけでもものすごいことで、尊いことだと思うのですが、それ以上にこの歌詞が夢女にとって尊いものなのです。
私はたくさんの歌がある中でも、この『悲しいね…キミが近すぎて』はテニプリ夢ソング*2史上、最高のものだと思っています。
テニプリには夢ソングがいくつか存在しており、私も全部の曲に精通しているわけではないので、数曲しか思いつきませんが例を挙げると以下のようなものです。
不二先輩で言えば『The ache of my heart』これはごりっごりの失恋ソング。ちなみに原作で不二先輩が恋愛している描写はゼロ。最初に歌った『瞳を閉じて心のまま僕は君を想う』も夢ソングだと思ってたのですが、この瞳を閉じる的な技が原作に逆輸入されたことにより【君】が女の子ではない可能性が浮上してきました。よって夢ソングから除外します。
手塚部長の『抱きしめてしまいそうさ』という楽曲は本当にテニスとは関係がなくて相手の女の子を想う気持ちだけが歌われていて、切なくは特にありません。
テニプリ界で大人気の曲、大石の『恋風』もさわやかな恋愛ソングです。
どれも好きな女の子のことを想う優しい気持ちが歌われていて、失恋ソングでない限りは幸せな普通の恋愛を歌っています。
なんで許斐先生は、キャラクターが本の持ち主を大切に想う歌を『悲しい』と表現したんだろう。そういった疑問から、私はこの曲の考察を続けていました。
普通にハッピーな恋愛ソング(例えばですが、いつもありがとう大切に想ってるよこれからもよろしくね的な歌詞)にすればいいのに、とも思わなくもありません。許斐先生が書かれた歌なら、そんなありふれた恋愛ソングでも夢女子大歓喜だから。
許斐先生というテニプリの生みの親でありテニプリ界の神様が、キャラクター目線でファンを大切にしている気持ちを歌にしたのですからなんでもありなのは確かであることがわかります。
ですが神様は、悲しい恋愛ソングを生み出しました。しかしその曲は私たち夢女子にとって悲しくもとてもうれしい曲となったので以下より私自身の解釈をつらつらと述べていきます。
(ありがたいことにはてなブログさんが、じゃすらっくさんと包括契約してくれたので歌詞を記載することが出来ます。ありがとうございます。)
もう一度言いますが、この曲は好きでいてくれるファンを本の中からキャラクターたちが想っている曲です。
『悲しいね…君が近すぎて/作詞、作曲:許斐剛』
いつもキミが見ていた
あの物語を教えて
この出だしである「物語」はテニプリを指していると思われます。そしてキミは私たち聞き手。許斐先生のライブ映像*3とも照らし合わせて考えても間違いないかと。
いつだって側で 誰よりも側で
寄り添って励まし
駆け抜けてった日々
その指先が ボクに触れたとき
涙が ああ 溢れた
このパートでは、いつも本を読んでいた私たちがずっとそれぞれのキャラクターを応援していたことを指していると思います。本当に私たちも本の中で一緒になって側で応援していたような気持ちにさせてくれる部分となりますよね。わかる。私たち、本当に応援していたよ。勝ったり負けたりすることをキャラクターよりも喜んで、落ち込んで…そんな日々だったなと思います。私たちにとっても長い年月、彼らを応援する日々は駆け抜けていきました。
その指先が…という部分ですが、私たちが彼らに触れることは現実では叶いません。どうがんばっても、生きている彼らには出会えないからです。なのでここは夢のような表現にしたのかと思わなくもないのですが、指先が彼らに触れること、本を読んでいるときにもあります。指先が(ページ上で)彼らに触れた、と考えればたしかに私たちは触れていることになります。指先が触れられたキャラクター側からしてみても、私たちは現実に、彼らは本の中に…という明確な違いがあり、涙が溢れるのはその事実を突きつけられるから。
そして一番気になるサビの部分がこちら。
悲しいね キミが近すぎて
この想い 伝えちゃダメだから
近すぎて悲しいのはなんでだろう…。
さっき書いた部分からしても、キャラクターと私たちが同じ場所に存在している曲ではないことがわかるので、次元を超えた遠距離恋愛の歌という意味ではめちゃめちゃ遠くて悲しいんですが、近すぎてという歌詞…。
次元が違って遠い、そしてこの想いが伝えられないのは、漫画の中のキャラとして特定の相手(読み手である夢女たちがたくさんいすぎて特定は無理ですよね)との恋愛ができないから。 ストーリー的にも恋愛はしていないし、作品は壊せないから。読んでいるときには私たちが指でキャラクターに触れるほどに近いところにいる。けれども次元的には遠いのでその近さが逆に悲しい、という意味なのかな…と勝手に想像しています。
側にいれるだけで いつも見ているだけの
キミと物語は続いてく
私たち側からしてもいつも見ているだけですが、キャラ側からしても側にいられるだけ(本として近くの本棚にあるだけ)なんだなと感じさせられる歌詞。でもそれだけでも私たちが本を買い続ける限り、終わらないよというメッセージを感じ取れます。
ここまでが1番。
私が一番好きなのはこれからの部分ですので絶対1番だけじゃなくて2番も聞いてほしい。
いつもキミに会いたくて
でもボクは待っているだけ
私たちも日々会いたいと切望していますが、キャラクター達もそんな風に想ってくれるの…という感動の歌詞。待っているだけなのは、上にも書いたけど私たちが本を手に取って開かないと会えないような距離感だから。彼らはあくまでも「本の中で」生きているから、私たちのいる現実空間で生きているわけではないから。本の中からこちらに出てこれないので、会いたくても待つことしかできないっていう切ない気持ちがひしひしと伝わってきます。次元の違う恋愛、つらい。
この曲実は許斐先生だけじゃなくてキャラが6人(手塚部長、不二先輩、忍足、幸村くん、ブン太、木手くんという謎メンバーでありながらも最高の人選だったと思う)歌っているバージョンもありまして、この2番の出だしを受け持っているのが幸村くんなんですよ。もうね…尊さがすごい。幸村くんが「でもボクは待っているだけ」っていう歌詞を歌うことが。彼は原作でも入院している時期があって、恋愛じゃなくても病室でメンバーの試合結果を待っている部分があったので、それも重ね合わせると本当に本当に本当に胸が苦しい。
1分が 1秒が永遠に感じて
微笑むキミにただ触れられたくて
触れたくて、ではないんですよね。触れられたい。触れることが出来ないことが分かっているから。やっぱりここの歌詞から見ても、触れるっていう行為はページ上で私たちが触るってことで合っているのかなと思います。微笑むって素敵に表現されてるけど、私だいたいニヤニヤして読むからなぁ…。気持ち悪い笑いでごめんね不二先輩。
久々のデートもテニスコートだけれど
熱い想い キミに届くかな
この1球に込めた
そんな笑顔も 泣き顔もみんな
ボクは見守ってきたから
たしかにテニスコートにしかいないからね君たち…。むしろ他のところにいるとこ見たことないよね…。だから応援するのは必然的にテニスをしているキャラクターたちです。でも私たちはそんな彼らを、テニスをしている彼らを応援しているのです。勝ったらうれしいし負けたら悲しいよ。私たちもずっと彼らの成長を見守ってきたけれど、彼らも逆に本の中から私たちのことを見守ってくれていたんだね。
悲しいね キミが遠すぎて
この想い 決して届かない
分かってる でもねキミを想う気持ちは
この夕日と共に燃えるから
やっと遠いと言ってくれました。むしろこっちのほうが言っている意味はすんなりわかりますよね。現実的に遠すぎて、想いは絶対に届かない。私たちの想いも届かないし、彼らからの気持ちだって私たちには絶対に届かない。恋愛の描写なんてないしね。でも本当は想っているよ、いつも大切に想ってるよって許斐先生が歌詞に書いてくれたんで、間違いなく我が家にあるテニプリの不二先輩は私のことを想ってくれてます(強気)
あの時もいつまでも
夜空見上げ静寂に溶けてゆく
2人の心に嘘はつけない
星達を拾い集めて
胸の宝箱 鍵をかけた
このパートに関してはもうそれぞれ想像で補いましょう。
さすがに夜空見上げた記憶はない。いや…ゲームではあったな…。GTTTとかでなんか星座見た気がする。あとギュッサバでもなんか夜に月下美人かなんか見に行った気がする。あれは夜だった。えっそこまで考えてあるわけじゃなかろうよ…。キャラと二人で夜空見上げた記憶、でっちあげるしかない。私にはできる。
……………ねぇ キミが近すぎて
悲しいね…キミが遠すぎて
突然語りかけられたびっくり。距離はね…物理的な距離は近いよ。漫画読んでる時の漫画と自分との距離なんて数十センチだもん。
手を握り 交わした約束を
今もまだ 覚えているのかな?
大切な 想い出はいつまでも変わらない
未来永劫の宝物
ここ手塚部長ボイスでめちゃいい声で歌ってくれてるんで耳かっぽじって聞いてください。
…私のね、私の記憶によると手を握り交わした約束はまじでない。言うなら夢小説かゲームでしかない。握れないから。彼らの手、私たち握れないから…!!!!!ていうかさっきまで遠すぎる遠すぎる言ってたやんけ!!!!!!本の中と現実との線引きはっきりしてたやんけ!!!!!どこから突然出てきたんよこれ。
しかも約束って何…。何かしましたっけ…。ねぇ…。私たち何か約束しましたっけ…。この約束、「ずっと応援すること」だと思ったんですけどそれだと最後に出てくる歌詞との整合性がとれないので、たぶんずっと応援することではないんですよね。そこから考えて、今までの歌詞とも照らし合わせると彼らが悲しいと思ってるのは「想いが届かないこと」「距離が遠いこと」「想いを伝えらないこと」「会いたいけど待っているだけであること」なので、勝手にですがここで出てきた約束は【いつか直接会いに行くこと】【自分の想いを伝えること】なのかなと思っています。すると最後の歌詞がわりとすんなり理解できるんです。
さらっと飛ばしちゃったけど未来永劫の宝物っていいですよね。前部分にある胸の宝箱にに入っている物が、私たちが応援し、彼らは応援されていたという【想い出】なんだろうな。漫画を読んでキャラクターを好きな時期があったとすれば、好きな気持ちが薄れて行ってしまったとしても紛れもない事実だから。それをキャラクターは忘れないよって言ってくれているのがとてもいい。
悲しいね…lalalala
約束を果たせなくなることが
lalalala lala lalala
…悲しいから
出てきました。「約束」
交わした記憶の無い約束。さっきの通りの解釈で合っているとするならば、彼らが現実に出てきてくれること、私たちが本の中に入っていけることは絶対に無理なので、約束を果たせないことが悲しいと言っているのかなと思うのですがね…。
約束を果たせなくなるって言っているので、もしかしたら「ずっと一緒だよ」っていう約束をしたけど、私たち(読み手)がいつかテニプリを好きじゃなくなる日が来て、手に取らなくなって、(待っているだけの彼らは会えなくなってしまって)ずっと一緒じゃなくなってしまう日が来てしまうことを暗に示しているのかなっても思います。
同じ歌詞のところやあまり考察を入れられない部分は省略しましたが、歌詞は以上です。
実は考察を書いていて気づいたところがありまして、この曲キャラクターたちが私たちとの距離を悲しんでいることは分かるんですけど一言も「好き」「大切」とは言っていないんですよね。それでも彼らは私たちを想ってくれているんだなって十分すぎるほど伝わってきますし、私たちが常日頃感じている次元的に距離が遠すぎて悲しい…会いに行きたいという気持ちも表してくれていて、私たちの気持ちも代弁してくれているような気がします。
悲しいではなくて、悲しいねって語り掛けてくれているところがより一層それを感じさせますよね。悲しいね、君もそう思ってるでしょ。って。
悲しさで愛情を表現してくる許斐先生、凄すぎる…。
本の中のキャラって許斐先生が言うのは、現実にはいないっていうことを表すだけじゃないのかな、とこの曲を聞いて思いました。
不二先輩というキャラは一人しかいないので、この曲を聴くと不二先輩の夢女たちが全員自分に対して想ってくれてるんだひゃっはーってなると思うんですが、一人に対して何万人のファンってなるわけで…。
コミックス自体は何万冊と存在してそれぞれの家庭にあって、夢女子の持っているコミックスの中のキャラたちは一人ひとりの持ち主のことを大切に想っているから、本の中のキャラはそれぞれに違って…ってことなのかなと。うーん分かりづらい。我が家にあるコミックスの中の不二先輩は持ち主の私を大切に想ってくれていて、別の家にあるコミックスの中の不二先輩はその持ち主を想ってる…。同じ不二先輩でも持ち主によって想っている相手が違う…。ということが言いたいです…。ご理解いただけたでしょうか…。
だからうちの不二先輩は私を、誰かのもとの不二先輩は誰かを、それぞれに大切に想ってくれているよ、と許斐先生は伝えたいのかな。想像でしかないですけど。1対多数ではなく、1対1の関係だよと言いたいのかな。
私は夢女ですけど、会えなくて悲しいと思うことは少なくって。
でもこの曲を聞いて、あぁそうか、悲しいのかと気づかされました。
言えないけど悲しいと思ってるよって伝えられているので、本を開くたびに「おかえり」「会えてうれしい」と言ってもらえるような気がして、夢女としてこれほどうれしいことはないです。
悲しいね。近すぎて、遠すぎて。悲しいけど、それでも好きだと言う気持ちは変わらないよ。
これね、他のキャラも歌うべきだと思うの。
あと歌割りが最高です。
独自解釈なのであんまり突っ込んで聞かないでください…(笑)
もっといい解釈があったらご一報ください。
今日もテニプリの女であり続けます。
おしまい。